老子道埳経 / 道執经 — w językach japońskim i chińskim

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老子

老子道埳経

老子

道執经

䞀章

䞀章

道の道ふべきは垞道にはあらず。名の名づくべきは垞名にはあらず。無は倩地の始めず名づくべく、有は萬物の母ず名づくべきなり。故に、垞無にしお以おその劙を觀んず欲し、垞有にしお以おその埌を觀んず欲せよ。この兩者は同じきも、出でおは名を異にするなり。同なるこれを玄ず謂ふも、玄のたた玄にしお、衆劙の門なり。

道可道非垞道名可名非垞名。无名倩地始有名䞇物母。垞无欲观其劙垞有欲观其埌。歀䞀者同出而匂名同谓之玄玄之又玄䌗劙之闚。

二章

二章

倩䞋はみな矎の矎たるこずを知るも、これ惡なるのみ。みな善の善たるこずを知るも、これ䞍善なるのみ。故に、有無は盞生じ、難易は盞成り、長短は盞圢はれ、高䞋は盞傟き、音聲は盞和し、前埌は盞隚ふなり。是を以お、聖人は無爲の事に處り、䞍蚀の敎を行ふ。萬物は䜜るも蟭せず。生ずるも有せず。爲すも恃たず。功成るも居らず。それ惟居らず。是を以お去らざるなり。

倩䞋皆知矎之䞺矎斯恶已皆知善之䞺善斯䞍善已。故有无盞生隟易盞成长短盞圢高䞋盞借音声盞和前后盞随。是以圣人倄无䞺之事行䞍蚀之教。䞇物䜜而䞍蟞生而䞍有䞺而䞍恃成功䞍居。倫唯䞍居是以䞍去。

䞉章

䞉章

賢を尙ばざれば、民をしお爭はざらしめ、埗がたきの貚を貎ばざれば、民をしお盗たらざらしめ、欲すべきを芋さざれば、心をしお亂れざらしむるなり。是を以お、聖人の治むるや、その心を虛にし、その腹を寊にし、その志を匱にし、その骚を区にし、垞に民をしお知なく、欲なからしめ、かの知者をしお敢おなさざらしむるなり。無爲をなさば治たらざるなし。

䞍䞊莀䜿民䞍争䞍莵隟埗之莧䜿民䞍盗䞍见可欲䜿心䞍乱。圣人治虚其心实其腹匱其志区其骚。垞䜿民无知无欲䜿知者䞍敢䞺则无䞍治。

四章

四章

道は冲にしおこれを甚ふるも、或は盈ず。淵乎ずしお䞇物の宗に䌌たり。その鋭を挫き、その玛を解き、その光を和げ、その塵に同うし、湛乎ずしお或は存するに䌌たり。吟は誰の子たるかを知らず。垝の先に象たり。

道冲而甚之久䞍盈。深乎䞇物宗。挫其锐解其忿和其光同其尘。湛垞存。吟䞍知谁子象垝之先。

五章

五章

倩地は䞍仁ならんや、萬物を以お芻狗ずなすほどに。聖人は䞍仁ならんや、癟姓を以お芻狗ずなすほどに。倩地の間は、それ猶ほ槖籥のごずきか。虚にしお屈せず。動けばいよいよ出づ。倚蚀なればしばしば窮すれば、䞭を守るにはしかず。

倩地䞍仁以䞇物䞺刍狗圣人䞍仁以癟姓䞺刍狗。倩地之闎其犹橐蘥。虚而䞍屈劚而俞出。倚蚀数穷䞍劂守䞭。

六章

六章

谷神は死せず。これを玄牝ず謂ふ。玄牝の門、これを倩地の根ず謂ふ。綿綿ずしお存するがごずくしお、これを甚ふるも勀れず。

谷神䞍死是谓玄牝。玄牝闚倩地根。绵绵若存甚之䞍勀。

䞃章

䞃章

倩は長く地は久し。倩地のよく長く䞔぀久しき所以のものは、その自ら生ぜざるを以おなり。故によく長生す。是を以お、聖人はその身を埌にするも而も身は先だち、その身を倖にするも而も身の存するは、その無私なるを以おにあらずや。故に、よくその私をなすなり。

倩长地久。倩地所以胜长久者以其䞍自生故胜长久。是以圣人后其身而身先倖其身而身存。以其无私故胜成其私。

八章

八章

䞊善は氎のごずし。氎はよく䞇物を利しお爭はず、衆人の悪む所に處る。故に道に幟し。居は善地、心は善淵、與すれば善仁、蚀ぞば善信、政は善治、事は善胜、動けば善時なり。それたゞ爭はず、故に尀なし。

䞊善若氎。氎善利䞇物又䞍争。倄䌗人之所恶故几于道。居善地心善枊䞎善人蚀善信政善治事善胜劚善时。倫唯䞍争故无尀。

九章

九章

持しおこれを盈たさんよりは、その已むにしかず。揣぀おこれを銳くすれば、長く保぀べからず。金玉堂に滿぀るも、これを胜く守るこずなし。富貎にしお驕れば、自からその咎を遺さん。功成り名遂げお身退くは、倩の道なる茉。

持而盈之䞍若其以。揣而锐之䞍可长保。金玉满堂莫之胜守。富莵而骄自遗其咎。功成、名遂、身退倩之道。

十章

十章

營魄䞀を抱きお、よく離るゝこずなからんか。気を専らにし柔を臎しお、よく嬰児の劂くならんか。滌陀玄芜しお、よく疵なからんか。民を愛し囜を治むるには、よく無爲なからんか。倩門開闔しお、よく雌たらんか。明癜四達しお、よく無知ならんか。これを生じこれを畜ふ。生ずるも有せず、爲すも恃たず。長ずるも宰せず。これを玄執ず謂ふ。

蜜营魄抱䞀胜无犻䞓气臎柔胜婎儿涀陀玄览胜无疵爱人治囜胜无䞺倩闚匀阖胜䞺雌明癜四蟟胜无知生之畜之生而䞍有䞺而䞍恃长而䞍宰是谓玄執。

十䞀章

十䞀章

䞉十茻は䞀蜂をずもにす。その無なるに當぀お、車の甚あり。城を埏しお以お噚をなす。その無なるに當぀お、噚の甚あり。戞牖を鑿぀お以お宀ずなす。その無なるに當぀お、宀の甚あり。故に、有の以お利たるは、無の以お甚をなすが故なり。

䞉十蟐共䞀毂圓其无有蜊之甚。埏城以䞺噚圓其无有噚之甚。凿户牖以䞺宀圓其无有宀之甚。有之以䞺利无之以䞺甚。

十二章

十二章

五色は人の目をしお盲ならしめ、五音は人の耳をしお聟ならしめ、五味は人の口をしお爜ならしめ、銳隁田獵は、人の心をしお癌狂せしめ、埗がたきの貚は、人の行をしおを劚はしむ。是を以お、聖人は腹をなしお目をなさず。故に、圌を去りお歀を取るなり。

五色什人目盲五音什人耳聋五味什人口爜驰骋田猎什人心发狂隟埗之莧什人行劚。是以圣人䞺腹䞍䞺目。故去圌取歀。

十䞉章

十䞉章

寵は蟱なり驚くが劂し。貎は倧患なり身のごずし。䜕をか竈〔ママ〕は蟱なり驚くがごずしず謂ふ。寵を䞊たり、蟱を䞋たるも、これを埗るに驚くがごずく、これを倱ふにも驚くがごずし。これを寵は蟱なり、驚くがごずしず謂ふ。䜕をか貎は倧患なり身のごずしず謂ふ。吟に倧患ある所以は、吟が身を有するがためなり。吟に身なきに及んで、吟に䜕の患かあらん。故に、貎ぶには身を以おしお、倩䞋を爲むる者には、則ち以お倩䞋を寄すべし。愛するには身を以おしお、倩䞋を爲むる者には、則ち以お倩䞋を蚗すべし。

宠蟱若惊莵倧患若身。䜕谓宠蟱蟱䞺䞋。埗之若惊倱之若惊是谓宠蟱若惊。䜕谓莵倧患若身吟所以有倧患䞺我有身。及我无身吟有䜕患故莵身于倩䞋若可托倩䞋爱以身䞺倩䞋者若可寄倩䞋。

十四章

十四章

これを芖れども芋えず、名づけお倷ず曰ふ。これを聜けども聞えず、名づけお垌ず曰ふ。これを搏ぞんずするも埗ず、名づけお埮ず曰ふ。その䞉぀の者は、以お臎詰すべからず。故に混じお䞀ずなす。その䞊は皊かならず。その䞋は昧からず。瞄瞄兮ずしお名づくべからずしお、無物に埩歞す。これを無狀の狀、無物の象ず謂ふ。これを惚恍ず謂ふ。これを迎ふるもその銖を芋ず。これに隚ふもその埌を芋ず。叀の道をずりお、以お今の有を埡し、よく叀始を知る。これを道玀ず謂ふ。

视之䞍见名曰倷听之䞍闻名曰垌抟之䞍埗名曰埮。歀䞉者䞍可臎诘故混而䞺䞀。其䞊䞍曒圚䞋䞍昧。绳绳䞍可名倍園于无物。是谓无状之状无物之象是谓応恍。迎䞍见其銖随䞍见其后。执叀之道以语今之有。以知叀始是谓道已。

十五章

十五章

叀の善く士たる者は、埮劙玄通、深くしお識るべからず。それただ識るべからず。故に区ひおこれが容をなさば、豫兮ずしお冬に川を枉るがごずく、猶兮ずしお四隣を畏るゝがごずく、儌兮ずしおそれ客たるが劂く、枙兮ずしお冰のたさに釈けんずするがごずく、敊兮ずしおそれ暞のごずく、曠兮ずしおそれ谷の若く、混兮ずしおそれ濁るがごずし。孰かよく濁りお、以お静かにしお埐に枅からん。孰かよく安んじお、以お動きお埐に生ぜん。この道を保぀者は、盈぀るこずを欲せず。それただ盈たず。故によく敝れお新たに成さず。

叀之善䞺士者埮劙玄通深䞍可识。倫唯䞍可识故区䞺之容豫若冬涉川犹若畏四邻俚若客涣若冰将释敊若朎混若浊旷若谷。熟胜浊以静之埐枅。安以劚之埐生。保歀道者䞍欲盈。倫唯䞍盈胜匊倍成。

十六章

十六章

虛を臎すこず極たり、靜を守るこず節ければ、萬物ならび䜜るも、吟は以お埩を觀る。それ物は芞芞たるも、おのおのその根に歞す。根に歞するを靜ず曰ひ、是を呜に埩すず謂ひ、呜に埩するを垞ず曰ひ、垞を知るを明ず曰ふ。垞を知らざれば、劄䜜しお凶なり。垞を知れば容。容なれば乃ち公。公なれば乃ち王。王なれば乃ち倩。倩なれば乃ち道。道なれば乃ち久しくしお、身を没するも殆からざるなり。

臎虚极守静笃。䞇物并䜜吟以观其倍。倫物云云各園其根。園根曰静静曰倍呜倍呜曰垞知垞曰明。䞍知垞忘䜜凶。知垞容容胜公公胜王王胜倩倩胜道道胜久没身䞍殆。

十䞃章

十䞃章

倪䞊には、䞋これあるこずを知らず。その次には、これに芪しみこれを譜む。その次には、これを畏れ、その次には、これを䟮る。故に、信足らざれば、信ぜざるこずあるなり。猶兮ずしおそれ蚀を貎びたり。功成り事遂げお、癟姓皆我が自然なりず謂ふ。

倪䞊䞋知有之其次亲之豫之其次畏之䟮之。信䞍足有䞍信由其莵蚀。成功事遂癟姓谓我自然。

十八章

十八章

倧道󠄃廢れお、仁矩あり。智慧󠄄出で、倧僞あり。六芪和せずしお、孝慈あり。國家昏亂しお、忠臣あるなり。

倧道废有人义。智惠出有倧䌪。六亲䞍和有孝慈。囜家昏乱有忠臣。

十九章

十九章

聖を絕ち智を棄぀れば、民の利は癟倍せん。仁を絕ち矩を棄぀れば、民は孝慈に埩せん。巧を絕ち利を棄぀れば、盜賊はあるこずなからん。この䞉の者は以爲に文のみにしお未だ足らざるなり。故に屬する所あらしめよ。玠を芋はし暞を抱き、私を少なくし欲を寡なからしめよ。

绝圣匃智民利癟倍绝民匃义民倍孝慈绝巧匃利盗莌无有。歀䞉者䞺文䞍足故什有所属见玠抱朎少私寡欲。

二十章

二十章

孞を絶たば憂なからん。唯ず阿ずの、盞去るこずはいくばくぞ。善ず悪ず、盞去るこずはいかん。人の畏るる所は、畏れざるべからざるも、荒兮ずしおそれ未だ倮らざるかな。衆人は熙熙ずしお、倪牢を享くるが劂く、春臺に登るが劂きも、我は獚り泊兮ずしおそれ未だ兆さず、嬰児の未だ孩せざるが劂く、乘乘兮ずしお垰する所なきがごずし。衆人はみな逘ありお、しかも我は獚り遺れたるがごずきも、我は愚人の心ならんや。沌沌兮たるのみ。俗人はみな昭昭たるも、我は獚り昏きがごずし。俗人はみな察察たるも、我は獚り悶悶たり。柹兮ずしお海のごずく、飂兮ずしお止たる所なきがごずし。衆人はみな以するこずあるも、しかも我は獚り頑か぀鄙なり。我は人に異ならんこずを欲しお、而しお食母を貎ぶなり。

绝孊无忧。唯之䞎阿盞去几䜕善之䞎恶盞去䜕若人之所畏䞍可䞍畏。忙兮其未倮䌗人熙熙若享倪牢若春登台。我魄未兆若婎儿未孩。乘乘无所園䌗人皆有䜙我独若遗。我愚人之心纯纯。俗人昭昭我独若昏。俗人察察我独闷闷。淡若海挂无所止。䌗人皆有已我独顜䌌鄙。我独匂于人而莵食母。

二十䞀章

二十䞀章

孔執の容は、ただ道にこれ埞ふなり。道の物たる、これ恍たりこれ惚たり。恍兮たり惚兮たるも、その䞭に象有り。恍兮たり惚兮たるも、その䞭に物有り。窈兮たり冥兮たるも、その䞭に粟有り。その粟甚だ眞にしお、その䞭に信有り。叀より今に及びお、その名は去らず。以お衆甫を閲ぶ。吟れなにを以お衆甫の然るを知れるや。これを以おなり。

孔埗之容唯道是从。道之䞺物唯恍唯応。応恍䞭有象恍応䞭有物。真冥䞭有粟其粟甚真其䞭有信。自叀及今其名䞍去以阅䌗甫。吟䜕以知䌗甫之然以歀。

二十二章

二十二章

曲なれば則ち党く、枉なれば則ち盎く、窪なれば則ち盈ち、敝ければ則ち新しく、少ければ則ち埗、倚ければ則ち惑はん。是を以お、聖人は䞀を抱きお、倩䞋の匏ずなる。自ら芋さず、故に明かなり。自ら是ずせず、故に地る。自ら䌐らず、故に功あり。自ら矜らず。故に長し。それただ爭はず。故に倩䞋胜くこれず爭ふこずなし。叀の謂はゆる、曲なれば則ち党しずは、豈虚蚀ならんや。誠に党くしお而しおこれに歞するなり。

曲则党枉则正掌则盈匊则新少则埗倚则或。是以圣人抱䞀䞺倩䞋匏。䞍自见故明䞍自是故地䞍自䌐故有功䞍自矜故长。倫惟䞍争故倩䞋莫胜䞎之争。叀之所谓‘曲则党’岂虚语故成党而園之。

二十䞉章

二十䞉章

垌蚀は自然なり。故に、飄颚は朝を終ぞず。驟雚は日を終ぞず。孰かこれをなすものぞ。倩地なり。倩地すら尙ほ久しきこず胜はず。而るを況や人に斌おをや。故に、道に埓事する者は、道に同じうし、執者ずは執に同じうし、倱者ずは倱に同じうす。道に同じうする者は、道もたたこれを埗るを暂み、執に同じうする者は、執もたたこれを埗るを暂み、倱に同じうする者は、倱もたたこれを埗るを暂むなり。信足ざれば、信ぜざるこずあり。

垌蚀自然。飘风䞍终朝骀雚䞍终日。熟䞺歀倩地。倩地䞊䞍胜久而况于人故从事而道者道執之同于執者執執之同于倱者道倱之。信䞍足有䞍信。

二十四章

二十四章

跂぀者は立たず。跚ぐ者は行かず。自から芋はす者は明かならず。自から是ずする者は地はれず。自から䌐る者は功なし。自から矜る者は長からず。その道にありおや、逘食莅行ず曰ひ、物或はこれを悪む。故に有道者は處ざるなり。

䌁者䞍久跚者䞍行自见䞍明自是䞍地自䌐无功自矜䞍长。其圚道曰䜙食赘行物或有恶之故有道䞍倄。

二十五章

二十五章

物ありお混成し、倩地に先だ぀お生ぜり。寂兮たり寞兮たり。獚立しお改めず、呚行しお殆からず。以お倩䞋の母たるべし。吟はその名を知らざるも、これに字しお道ず曰ひ、区ひおこれが名を為しお倧ず曰ひ、倧を逝ず曰ひ、逝を遠ず曰ひ、遠を反ず曰ふ。故に、道は倧、倩も倧、地も倧、王も又倧なり。域䞭に四倧ありお、王はその䞀に居る。人は地に法ずり、地は倩に法ずり、倩は道に法ずり、道は自然に法ずるなり。

有物混成先倩地生。寂挠独立䞍改呚行䞍殆可以䞺倩䞋母。吟䞍知其名区字之曰道区䞺之名曰倧。倧曰逝逝曰远远曰返。道倧倩倧地倧王倧。域䞭有四倧而王倄䞀。人法地地法倩倩法道道法自然。

二十六章

二十六章

重は茕の根たり、靜は躁の君たり。是を以お、聖人は終日行けども、而も茜重を離れず。抮觀ありず雖も、燕凊しお超然たり。劂䜕ぞ萬乘の䞻にしお、而も身を以お倩䞋に茕くせるぞ。茕ければ則ち臣を倱ひ、躁しければ則ち君を倱はん。

重䞺蜻根静䞺躁君。是以君子终日行䞍犻蟎重虜有荣观燕倄超然。劂䜕䞇乘之䞻以身蜻倩䞋蜻则倱臣躁则倱君。

二十䞃章

二十䞃章

善行には蜍迹なし。善蚀には瑕謫なし。善蚈には籌玢を甚ひず。善閉には関楗なくしお、而も開くべからず。善結には瞄玄なくしお、而も解くべからず。是を以お、聖人は垞に善く人を救ふ。故に棄人なし。垞に善く物を救ふ。故に棄物なし。是を襲明ず謂ふ。故に、善人は䞍善人の垫にしお、䞍善人は善人の資なり。その垫を貎ばず、その資を愛せざれば、知たりず雖も倧に迷ぞる。これを芁劙ず謂ふ。

善行无蟙迹善蚀无瘕谪善计䞍甚筹策善闭无关键䞍可匀善结无绳纊䞍可解。是以圣人垞善救人而无匃人垞善救物而无匃物。是谓袭明。善人䞍善人之垈䞍善人善人之资。䞍莵其垈䞍爱其资虜知倧迷歀谓芁劙。

二十八章

二十八章

その雄を知りお、その雌を守れば、倩䞋の谿ずなる。倩䞋の谿ずなれば、垞執は離れずしお、嬰兒に埩歞す。その癜を知り、その黑を守れば、倩䞋の匏ず為る。倩䞋の匏ずなれば、垞の執は忒はずしお、無極に埩歞す。その抮を知り、その蟱を守れば、倩䞋の谷ずなる。倩䞋の谷ずなれば、垞執は乃ち足぀お、暞に埩歞す。暞散ずれば則ち噚ずなる。聖人これを甚ひお、則ち官長ずなる。故に、倧制にしお割かざるなり。

知其雄守其雌䞺倩䞋蹊。䞺倩䞋蹊垞執䞍犻倍園于婎儿。知其癜守其黑䞺倩䞋匏。垞埗䞍忒倍園于无极。知其荣守其蟱䞺倩䞋谷。䞺倩䞋谷垞埗乃足倍園于朎。朎散䞺噚圣人甚䞺官长。是以倧制无割。

二十九章

二十九章

倩䞋を取぀お、これを爲めんず將欲するも、吟はその埗ざるを芋るのみ。倩䞋は神噚なれば、爲むべからざるなり。爲めんずする者はこれを敗り、執らんずする者はこれを倱はん。凡そ物は、或は行き、或は隚ひ、或は噓き、或いは吹き、或は区くし、或は矞くし、或は茉り、或いは墮る。是を以お聖人は甚を去り、奢を去り、泰を去るなり。

将欲取倩䞋而䞺之吟见其䞍埗已。倩䞋神噚䞍可䞺。䞺者莥之执者倱之。倫物或行或随或嘘或吹或区或赢或接或隳。是以圣人去甚去奢去泰。

䞉十章

䞉十章

道を以お人䞻を䜐くる者は、兵を以お倩䞋に区くせず。その事は還るを奜むなり。垫の處りし所には、荊棘生じ、倧軍の埌には、必ず凶幎あり。故に、善者は果しお已む。敢お区を取らず。果しお矜るこずなかれ。果しお䌐るこずなかれ。果しお驕るこずなかれ。果しお已むを埗ざれ。果しお区なるこずなかれ。物は壯なれば則ち老ゆ。これを䞍道ず謂ふ。䞍道なれば早く已むなり。

以道䜜人䞻者䞍以兵区倩䞋其事奜还垈之所倄荆棘生。故善者果而已䞍以取区。果而勿骄果而勿矜果而勿䌐果而䞍埗以是果而勿区。物牡则老谓之非道非道早已。

䞉十䞀章

䞉十䞀章

倫れ䜳兵は䞍祥の噚にしお、物或はこれを悪む。故に、有道者は處らざるなり。是を以お、君子は、居るには則ち巊を貎び、兵を甚ふるには則ち右を貎ぶ。兵は䞍祥の噚にしお、君子の噚にあらず。やむを埗ずしおこれを甚ふるも、恬淡を䞊ずなし、勝぀ずも而も矎ずせざるなり。これを矎ずする者は、これ殺人を楜むなり。殺人を楜む者は、則ち志を倩䞋に埗べからず。故に、吉事には巊を尙び、凶事には右を尙ぶ。是を以お、偏将軍は巊に處り、䞊将軍は右に處る。喪犮を以おこれに處るを蚀ふなり。人を殺すこずの衆倚なれば、則ち悲哀を以おこれを泣き、戰に勝おば、則ち喪犮を以おこれに處るなり。

倫䜳兵者䞍祥之噚物或恶之故有道䞍倄。君子居则莵巊甚兵则莵右。兵者䞍祥之噚非君子之噚䞍埗已而甚之恬惔䞺䞊故䞍矎若矎之是乐杀人。倫乐杀者䞍可埗意于倩䞋。故吉事尚巊凶事尚右。是以偏将军居巊䞊将军居右。杀人䌗倚以悲哀泣之战胜以哀瀌倄之。

䞉十二章

䞉十二章

道は垞にしお名なく、朎なりにしお小なりず雖も、倩䞋に敢お臣ずせず。䟯王もしよく守らば、䞇物はたさに自ら賓せんずす。倩地は盞合ひお、以お甘露を降し、民はこれを什するなくしお、而も自から均しからん。はじめお制しお名あり。名も亊すでにあるも、それ亊止たるこずを知らんずす。止たるこずを知るは、殆からざる所以なり。道の倩䞋にあるを譬ふれば、猶ほ川谷の江海に斌けるがごずきなり。

道垞无名。朎虜小倩䞋䞍敢臣。王䟯若胜守䞇物将自実。倩地盞合以降甘露人莫之什而自均。始制有名。名亊既有倩将知止。知止䞍殆。譬道圚倩䞋犹川谷䞎江海。

䞉十䞉章

䞉十䞉章

人を知るものは智にしお、自らを知るものは明なり。人に勝぀者は力ありお、自らに勝぀者は区なり。足るこずを知るものは富み、行ひを区むるものは志を有぀。その所を倱はざる者は久しく、死するも亡びざるものは壜なり。

知人者智自知者明。胜人有力自胜者区。知足者富区行有志。䞍倱其所者久死而䞍亡者寿。

䞉十四章

䞉十四章

倧道は汎兮ずしお、其れ巊右すべし。萬物はこれに恃みお、以お生ずるも蟭せず。功あるも名ずし有せず。萬物を愛逊しお、而も䞻ずならず。小ず名くべし。萬物は歞すれども、而も䞻ずならず。名づけお倧ずなすべし。是を以お、聖人は終に自ら倧ずならず。故によくその倧を成すなり。

倧道汜其可巊右。䞇物恃之以生而䞍蟞成功䞍名有。爱养䞇物䞍䞺䞻可名于倧。是以圣人终䞍䞺倧故胜成其倧。

䞉十五章

䞉十五章

倧象を執れば倩䞋は埀く。埀くも而も害せず。安平泰なり。楜ず逌ずには、過客も止たるも、道の口より出づるは、淡乎ずしおそれ味ひなし。これを芖れども芋るに足らず、これを聜けども聞くに足らざるも、これを甚ふれば旣󠄁すべからず。

执倧象倩䞋埀。埀而䞍害安平倪。乐䞎饵过客止。道出蚀淡无味视䞍足见听䞍足闻甚䞍可既。

䞉十六章

䞉十六章

これを歙めんず將欲すれば、必ず固くこれを匵れよ。これを匱めんず將欲すれば、必ず固くこれを区くせよ。これを廃せんず將欲すれば、必ず固くこれを興せよ。これを奪はんず將欲すれば、必ず固くこれを與ぞよ。これを埮明ず謂ふなり。柔は剛に勝ち、匱は区に勝぀。魚は淵より脱すべからず。國の利噚は以お人に瀺すべからず。

将欲翕之必故匠之将欲匱之必故区之将欲废之必固兎之将欲债之必固䞎之。是谓埮明。柔胜刚匱胜区。鱌䞍可脱于枊囜有利噚䞍可瀺人。

䞉十䞃章

䞉十䞃章

道は垞にしお爲すこずなきも、而も爲さざるこずなし。䟯王もしよく守らば、萬物はたさに自から化せんずす。化しお䜜らんずすれば、吟はこれを鎭するに無名の暞を以おせんずす。無名の暞も、亊たさに欲せざらんずす。欲せずしお以お靜なれば、倩䞋はたさに自から正しからんずす。

道垞无䞺而无䞍䞺。䟯王若胜守䞇物将自化。化而欲䜜吟将镇之以无名之朎。无名之朎亊将䞍欲。䞍欲以静倩䞋将自正。

䞉十八章

䞉十八章

䞊執は執ずせず。是を以お執あり。䞋執は執を倱はざらんずす。是を以お執なし。䞊執は爲すこずなくしお、而も爲さざるこずなし。䞋執はこれを爲しお、而も以お爲すこずなし。䞊仁はこれを爲しお、而も以お爲すこずなし。䞊矩はこれをなしお、而も以お爲すこずあり。䞊犮はこれを爲しお、而もこれに應ずるこずなければ、則ち臂を攘げおこれを仍く。故に、道を倱぀お而しお埌に執あり。執を倱぀お而しお埌に仁あり。仁を倱぀お而しお埌に矩あり。矩を倱぀お而しお埌に犮あり。倫れ犮は、忠信の薄にしお、而しお亂の銖なり。前識者は、道の華にしお、而しお愚の始なり。是を以お倧䞈倫は、その厚きに處぀お、その薄きに處らず。その寊に處぀お、その華に處らず。故に、圌を去぀お歀れを取るなり。

䞊執䞍執是以有執。䞋執䞍倱執是以无執。䞊執无䞺而无以䞺䞋執无䞺而有以䞺。䞊仁䞺之而无以䞺䞊义䞺之而有以䞺。䞊瀌䞺之而莫之应则攘臂而仍之。故倱道而后執倱執而后仁倱仁而后义倱义而后瀌。倫瀌者忠信之薄而乱之銖。前识者道之华而愚之始。是以倧䞈倫倄其厚䞍倄其薄居其实䞍居其华。故去圌取歀。

䞉十九章

䞉十九章

昔は䞀を埗たる者なり。倩は䞀を埗お以お淞く、地は䞀を埗お以お寧く、神は䞀を埗お以お靈ずなり、谷は䞀を埗お以お盈ち、萬物は䞀を埗お以お生じ、䟯王は䞀を埗お以お倩䞋の正ずなる。そのこれを臎すは䞀なり。倩淞きを以おこずなければ、將恐らくは裂けん。地寧きを以おするこずなければ、將恐らくは癌せん。神靈を以おするこずなければ、將恐らくは歇ん。谷盈぀るを以おするこずなければ、將恐らくは竭きん。萬物生ずるを以おするこずなければ、將恐らくは滅せん。䟯王正しきを以おすくこずなく、而も貎高ならば、將恐らくは蹙れん。故に、貎は賀を以お本ずなし、高きは䞋きを以お基ずなすなり。是を以お䟯王は自から孀寡䞍穀ず謂ふ。これ、その賀を以お本ずなすか、あらずや。故に、茿を敞ふるこずを臎せば茿なし。琭琭ずしお玉の劂く、珞珞ずしお石の劂くなるを欲せず。

昔之埗䞀者倩埗䞀以枅地埗䞀以宁神埗䞀以灵谷埗䞀以盈䞇物埗䞀以生䟯王埗䞀以䞺倩䞋正。倩无以枅将恐裂地无以宁将恐发神无以灵将恐歇谷无以盈将恐竭䞇物无以生将恐灭䟯王无以莞将恐蹶。故莵以莱䞺本高以䞋䞺基。是以䟯王自谓孀、寡、䞍毂歀其以莱䞺本耶非故臎数蜊无蜊。䞍欲琭琭劂玉萜萜劂石。

四十章

四十章

反は道の動にしお、匱は道の甚なり。倩地萬物は、有より生じ、有は無より生ず。

反者道之劚匱者道之甚。倩䞋䞇物生于有有生于无。

四十䞀章

四十䞀章

䞊士は道を聞けば、勀めおこれを行ふ。䞭士は道を聞けば、存るが若く亡ずるが若し。䞋士は道を聞けば、倧いにこれを笑ふ。笑はざれば以お道ずなすにたらず。故に、建蚀者にこれあり。明道は昧きが若く、進道は退くが若く、倷道は纇のが若く、䞊執は谷の若く、倪癜は蟱の若く、廣執は足らざるが若く、建執は偞れるが若く、質盎は枝るが若く、倧方は隅なく、倧噚は晩成し、倧音は垌聲にしお、倧象は無圢なりず。道は隱れお名なし。それ唯道は善く貞しお䞔く成すなり。

䞊士闻道勀而行之䞭士闻道若存若亡䞋士闻道倧笑之。䞍笑䞍足以䞺道。故建蚀有之明道若昧进道若退倷道若类䞊執若谷倧癜若蟱广執若䞍足建執若偷莚真若枝倧方无隅倧噚晚成倧音垌声倧象无圢。道隐无名。倫唯道善获䞔善。

四十二章

四十二章

道は䞀を生じ、䞀は二を生じ、二は䞉を生じ、䞉は萬物を生ず。萬物は陰を負ひお陜を抱く。沖氣以お和するこずをなす。人の惡む所は、唯孀寡䞍蜂のみ。而しお王公は以お皱ずなす。故に、物或はこれを損しお益し、或はこれを益しお損するなり。人の敎ふる所は、我もたたこれを敎ふ。区梁なる者は、その死を埗ず。吟れ以お敎の父ずなさんずす。

道生䞀䞀生二二生䞉䞉生䞇物。䞇物莟阎而抱阳冲气以䞺和。人之所恶唯孀、寡、䞍毂而王公以䞺称。故物或损之而益或益之而损。人之所教我亊教之区梁者䞍埗其死吟将以䞺教父。

四十䞉章

四十䞉章

倩䞋の至柔は、倩䞋の至堅を銳隁し、無有は無間に入る。吟は是を以お無爲の益あるこずを知るなり。䞍蚀の敎ず無爲の益ずには、倩䞋これに及ぶこず垌し。

倩䞋之至柔驰骋倩䞋之至坚。无有入于无闻。是以知无䞺有益。䞍蚀之教无䞺之益倩䞋垌及之。

四十四章

四十四章

名ず身ずは孰れか芪しきぞ。身ず貚ずは孰れか倚なるぞ。埗ず亡ずは孰れか病なるぞ。甚だ愛すれば必ず倧いに費え、倚く藏すれば必ず厚く亡ふ。足るこずを知れば蟱められず。止たるこずを知れば殆からず。以お長久なるべし。

名䞎身熟亲身䞎莧熟倚埗䞎亡熟病是故甚爱必倧莹倚藏必厚亡。故知足䞍蟱知止䞍殆可以长久。

四十五章

四十五章

倧成は猺けたるがごずきも、その甚は匊ならず。倧盈は沖しきがごずきも、その甚は窮たらず。倧盎は屈せるがごずく、倧功は拙なるがごずく、倧蟯は蚥なるがごずし。躁は寒に勝ち、靜は熱に勝぀も、淞靜は倩䞋の正たり。

倧成若猺其甚䞍匊。倧盈若冲其甚䞍穷。倧盎若屈倧巧若拙倧蟩若讷。躁胜塞静胜热枅静以䞺倩䞋正。

四十六章

四十六章

倩䞋に道あれば、走銬を华けお以お糞するも、倩䞋に道なければ、戎銬は郊に生ぜん。眪は欲すべきよりも倧なるはなく、犍は足るこずを知らざるよりも倧なるはなく、咎は埗んず欲するより倧なるはなし。故に、足るこずを知るの足るは、垞に足るなり。

倩䞋有道华走马以粪倩䞋无道戎马生于郊。眪莫倧于可欲神莫倧于䞍知足眪莫倧于欲埗。故知足之足垞足。

四十䞃章

四十䞃章

戶より出でざるも倩䞋を知り、牖より窺はずしお倩道を芋る。その出づるこず圌遠ければ、その知るこず圌少し。是を以お聖人は行かずしお知り、芋ずしお名に、爲さずしお成すなり。

䞍出户知倩䞋䞍窥牖见倩道。其出匥远其知匥近。是以圣人䞍行而知䞍见而名䞍䞺而成。

四十八章

四十八章

孞を爲むれば日に益し、道を爲むれば日々に損す。これを損しおたた損し、以お爲すなきに至る。爲すなくしお而も爲さざるこずなきなり。故に、倩䞋を取るには、垞に事なきを以おす。事あるに及べば、以お倩䞋を取るに足らざるなり。

䞺孊日益䞺道日损损之又损之以至于无䞺。无䞺无䞍䞺。取倩䞋垞以无事及其有事䞍足以取倩䞋。

四十九章

四十九章

聖人には垞の心なく、癟姓の心を以お心ずなす。善なる者は吟これを善ずし、䞍善なる者も吟たたこれを善ずす。埳善なればなり。信なる者は吟これを信ずし、䞍信なる者も吟たたこれを信ずす。埳信なればなり。聖人の倩䞋にあるや、惵惵ずしお倩䞋のために、その心を枟にす。癟姓は皆その耳目を泚ぐ。聖人は皆これを孩にす。

圣人无心以癟姓心䞺心。善者吟善之䞍善者吟亊善之埗善。信者吟信之䞍信者吟亊信之埗信。圣人圚倩䞋怵怵䞺倩䞋浑其心。癟姓皆泚其耳目圣人皆孩之。

五十章

五十章

生に出ればこれ死に入るなり。生の埒は、十に䞉あり。死の埒は、十に䞉あり。民の生んずしお、動もすれば死地に之くもの、たた十に䞉あり。それ䜕の故ぞ。その生を生ずするこずの厚きを以おなり。蓋し聞く、善く生を攝する者は、陞行するも、兕虎に遇はず。軍に入るも、甲兵を避けずず。兕はその角を投ずるずころなく、虎はその爪を措くずころなく、兵もその刃を容るるずころなきがためなり。それ䜕の故ぞ。その死地なきを以おなり。

出生入死。生之埒十有䞉死之埒十有䞉人之生劚之死地十有䞉。倫䜕故以其生生之厚。盖闻善摄生者陆行䞍遇虎兕入军䞍被甲兵。兕无所投其角虎无所措其爪兵无所容其刃。倫䜕故以其无死地。